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音の力

 

こんにちは。s-Live東京つつじヶ丘校の氏家です。
先日とある映画を観ました。


「ギルティ」というデンマークの映画で、

アメリカの映画レビューサイトで非常に高評価だったので期待して行きました。


この映画、本当にすごかったんです。


舞台がデンマーク警察の緊急コールセンターで、

この一室のみでストーリーが繰り広げられる、

いわゆるシチュエーションスリラーと呼ばれるジャンルの映画でした。


主人公のアスガーはコールセンターのオペレーターで、ある一本の通報を受けます。


それは女性からの通報で、今まさに元夫に誘拐されているというものでした。


そのとき、私たち観客は電話を受けるアスガーの表情、

受話器向こうの誘拐された女性の声、女性が乗っている車の音、

それらのみの情報しか与えられていないのです。


通報している女性の顔や元夫の顔はスクリーンには一切登場しないのです。


ほぼほぼアスガーしか映っていません。
BGMも全くといってよいほどないので、よりリアルに感じられます。


観ている私たちもまるでアスガーと一緒に緊急コールセンターにいて、

一緒に通報の電話を受けているような気分に陥るほど!


ほとんど絵が変わらないにも関わらず、画面に釘付けになってしまいました。


私の隣で観ていた人も前のめりになっていたほど、

ストーリーに引き込まれる映画でした。


人間は視界から得る情報を頼りに生きていますが、

この映画は事件の真相にたどり着くための情報がほとんど目で得られません。


少々ネタバレにはなってしまいますが、

ラストに音からの情報を信じすぎてしまったからこそ

アッと驚くどんでん返しがあります。


アスガーや観客は音に惑わされ、

それがある意味裏切りにつながっているのですから上手い演出ですよね。

以前、こんな話を聞いたことがあります。


昔、アメリカで宇宙人が地球に襲来する物語をラジオドラマにして放送したところ、

あまりのリアルさに聴衆が「本当に地球に宇宙人がやってきた」

とパニックになって大騒ぎになってしまったことがあるそうです。


「音」はとても影響力がありますが、

だからといってそれのみでは判断するのは難しいですし怖いなと思いました。

 

この映画、あまりにも評価が高く、ハリウッドでのリメイクが決定されたそうです。


アメリカ版ではどう描かれるのか、非常に楽しみであります。
よければデンマーク版も観て、リアリティを体感してみてください。


「音」がポイントですので劇場の静かな環境で観ることをおすすめします!