お知らせ
国家外交と人間関係
こんにちは。
s-Live東京つつじが丘校の宮岡です。
生徒に歴史の流れを教えているときに、
生徒から「~~最低じゃん!!」という指摘をよく受けます。
基本的に歴史の勝者とは、相手の嫌がることを
いかに適切におこなっていくかというのがもっとも得意な人間たちですから、
至極もっともな意見です。
歴史はいろいろなことを学べますが、個人同士の接し方と、
国同士の接し方は根本が違うということをわかっていないと、
歴史から学んだはずが何も学べていなかったという結果に
つながってしまうかもしれません。
歴史の中でも、特に近代以降は弱肉強食の感が強くなっていきます。
近代以前に関しては、どこの世界でも技術革新が起こる可能性がありましたし、
やりようによっては先進国に途上国が勝つという例も少なくありません。
中国の歴代王朝も北方の騎馬民族に悩まされ、
中には元や清のようにそのまま中華統一されてしまったケースもあります。
ですが、近代以降に関しては、
基本的には欧米などの先進国の優位が絶対的なものとして存在しています。
アメリカの受けたダメージとベトナムの受けたダメージを比べれば、
ベトナムのダメージのほうがはるかに大きかったです。
明治時代の日本も、きれいごとは言っていられないだけ追い込まれていました。
当初はアジア各国での協力により、欧米を跳ね除けようと努力もしていましたが、
清や朝鮮からすれば、日本と対等に協力していくという選択肢はありえませんでした。
その中で、日本は欧米の側に加わっていくという選択肢をとりました。
(とはいっても日本の植民地支配は、欧米のような掠め取るだけというよりは、
支配地を発展させるという方針でした。)
これを個人のスケールで考えてしまうと、いじめられている生徒同士が団結して
いじめている生徒に対抗しようとしているもののうまくいかず、
最終的にはいじめられている生徒の一人がいじめる側に行ってしまうというような
ケースでしょうか。
たしかに道徳的によくない行いであるのですが、道徳とはなんでしょう?
道徳とは、基本的には自分の周りの人間とうまくやっていくためのものです。
逆に言えば、国家レベルには道徳は存在しません。
存在するとすれば、トップの国の方針です。
現在で言えば、世界に植民地がないのは、アメリカが植民地を否定しているからです。
そして、欧米の企業がアフリカ各国や中東、南アメリカを経済的に
植民地時代と変わらず経済的に支配し続けても問題がないのは、
アメリカがそれを肯定しているからです。
歴史の勝者の考えを、自分の人生に当てはめるのも危険ですし、
国の政治に道徳を当てはめるのもよくありません。
投票権を持つ前に、このようなことを生徒たちには伝えていきたいですね。